2011年06月08日

「視点を変えて着ぐるみの興味深さを探る」マンガ家青木俊直先生にお話を伺うの巻

 今まで「フットボールの着ぐるみマスコット、おもしろいー!かわいいー!」というどちらかといえば外から見て楽しむ事柄に軸足を置いてその存在感と背景を観察してきました。
ここで少し視点を変えて着ぐるみマスコットを見てみるべく、違うアプローチから着ぐるみマスコットを取り上げている方にお話を聞いてみました。

kuruminoki_web お話を伺ったのはマンガ家の青木俊直先生です。
(青木先生のお仕事詳細はサイトを御参照ください)

現在 月刊コミック@バンチ(新潮社)誌上で「くるみのき!」を好評連載中です。
http://www.comicbunch.com/comicinfo/kurumi/

「くるみのき!」では引っ込み思案で気軽に周囲と打ち解けられない若い女性の“くるみちゃん”がひょんなことから着ぐるみの中の人になり、心も身体も新しい風に巻き込まれ今まで開かなかった扉が開く?!(現時点では進行中なのでどんな展開になるかはわからないのですが、そんな予感が…)というお話です。
 「中の人などいない!」というファンタジーはさておき、着ぐるみ、それも着ぐるみの中の人に焦点を当てている、なぜそこに着目して物語を作ることになったのか?などを伺って来ました。

 お話を伺い始めてすぐに、まず青木先生がマンガ「くるみのき!」で取り上げている着ぐるみマスコットの世界について伺いました。説明して頂いた位置づけを簡単に図表にしてみます。
aoki_mascot_map
全体をざくっと見渡すとこんな感じになっているようです。
主に子供を対象としている着ぐるみもテレビや劇場公演など分化しているそうです。

 「ウゴウゴルーガ」や「むしまるQ」などわりに着ぐるみが身近にいる(感じられる)お仕事をされていた青木先生なので、以前から着ぐるみに興味があったのかと思いきや「普通に興味は持っていたけれど、特に着ぐるみ好きということはないですね。逆に子供の頃は中に人が入っているのに人じゃないということに違和感を持ったのをよく覚えている。」との事。
ではどこに惹かれて物語の舞台を着ぐるみにしたのか伺うと
「コミュニケーションの関係性の面白さ」
 関係性の面白さとは?
着ぐるみの中の人は相手が見えるし、相手の言葉も反応も見ることができるので通常に近い対人関係。しかし外から見れば目の前にいるのは着ぐるみ、中の人は見えず言葉を交わすコミュニケーションは取れない。
なるほど不思議な関係性。着ぐるみの中の人だけが匿名性を保ったままコミュニケーションがとれる、ヴァーチャルならあり得るけれどリアルな世界でこんな一方通行の匿名性を持った対人関係は他に無いかも!
確かに人(お客さん)と着ぐるみマスコットは興味深い関係の上に成り立っています。
そんな視点で着ぐるみを見た事はなかった!

 中の人のエキスパートの方ともお知り合いとの事で、その興味深い体験談をいろいろ聞かれている青木先生。普通の俳優さんも着ぐるみマスコットも「演じる」という行為、役作りは基本的に同じだそうです。そりゃそうですね。
ただ、大きく違う「匿名性」によって「うまく表現できなかったことが、中に入ってしまうことによってうまくできるようになる、ということがままあるようだ」との事。事例を挙げて伺っていたのですがどのお話も興味深かったです。
言葉は変ですが「中に隠れてしまう事で反って開かれる感覚」というのがあるんですね。

 「くるみのき!」ではそこにもっと焦点を絞って「人とうまくコミュニケーションできない」というマイナスのステージから主人公を出発させているので「不思議な感覚が開かれる」ところがよりドラマチックになるわけですね!
そして物語の舞台は「巡回が主体の着ぐるみ劇団(?)」なので「着ぐるみをとりまく背景」にもスポットが当たっていくそうです。着ぐるみのデザインから制作、舞台装置、音響・照明…巡業という旅…背景も非常に興味深い世界ですね。
物語の舞台になりうる面白い背景と要素がいっぱいあるんだな!と納得の「着ぐるみマスコット」の世界。「くるみのき!」今後の展開に注目です!

 余談でどんな着ぐるみマスコットが好きですか?(造形的見地から)と伺ってみたところ「狙ってない見た目のが好き。動作が軽快なのもいいけれど2〜3頭身で歩くだけでぐらぐらしてしてるようなも好き」とのことでした。
フットボール着ぐるみにはあまり注目されていなかったようなのですが「とても面白いですから!」と強くお薦めして来ました。

 作品メインではなく作品の舞台について、といういささか失礼なインタビューに快く答えてくださった青木先生に心より感謝いたします!

参照Link
青木俊直先生公式 http://yuruyuru.jp/
月刊コミック@バンチ http://www.comicbunch.com/


 「着ぐるみの中に入って見知らぬ他人の前で演じる」という経験をできる人はそうそういないと思いますが「スーツを着ると仕事モードになる」「車のハンドル握ると人が変わる」とか心のスイッチ切り替えは小さなものが普通の生活の中にもありますもんね。

「視点を変えて着ぐるみの興味深さを探る」青木先生にお話を伺うの巻でした。



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