2010年01月05日

読書は愉楽。答え探しじゃない。

 2010年は「国民読書年」だそうだ。
(キャッチコピーは「じゃあ、読もう」。推進会議の座長は安藤忠雄さん。具体的に何をするんだろうか?なんだかよくわからんですね。)
3歳の時に文字を読む事を覚えてからずーっと「本は毎日読むのが当たり前」であって、「活字離れ」らしい時流からことごとく外れているので、「国民読書年」と言われてもピンと来ないな。どちらかというと本を読まない…もしくは本を読めないという状況が恐怖だ。
 この「国民読書年」のことを知ったのは、図書館の貸し出しレシートの裏にその旨が印刷されていたからだ。この「国民読書年」が何を狙っているのかよくわからないのだが「国民読書年だからもっと本を読もう!」と言われても、これ以上読む時間を増やすのは困難よ。増やせるものなら増やしたいけど。

 2009年に読んだ本は惜しくも100冊に届かず93冊。
そして、いつも以上に偏った偏向読書。基本「読書=小説」だが、昨年は日本ものを読みまくりましたわ。珍しく翻訳小説を読まなかったなあ。8割方が図書館の分類で言うところの913(日本文学:小説、物語)。上下巻まで、2巻以上の長編も読まなかった。うーん、結果から見るとそういう気分の一年だったでしょうなあ。自分の事だがよくわからん。

 しかし、読書は趣味、いかに愉楽の世界に引き込まれるか、脳みそが悦楽の海に漂うか、なのである。「本を読んで何かに役立てよう」という気がまるでないんだから、どんなに偏向だっていいのだ!
 というのも、新聞の下にある書籍広告の宣伝文句に鬱陶しいものが増えている気がして。特に宣伝に「ひとこと感想」をフィーチャーされてるヤツ。その本を有名人が読んで「大事な何かに気がつきました」みたいなの。
本を読んだら何かに気がつかなきゃダメなのかよっ!
そんなツマラン読み方はしたくねえよおっ!

もちろん、読後にはいろいろ思う事、感じる事がある。
でも、なんか違う、なんかヤダ!
 私の趣味の読書には関係ない、とわかってはいても、なんとなく気になっていた、正直に言えば、気に障っていた「本の読み方」。それが12月の頭に読んだ本でパっと晴れた。

「柴田さんと高橋さんの 小説の読み方、書き方、訳し方」
柴田 元幸, 高橋 源一郎 (著) 河出書房新社刊
しまった、発売されてすぐに読めばヨカッタ〜…!
 小説は書かれている事が嘘なのか真実なのか、一種の手品のようなものであって、小説家は種明かしをしていけないものなのに、いま、小説は種明かしとセットで売られている、という話があり
「これは表面上はエンターテインメントだけれども、実は現代人の心理を描いていますよ」というふうな「本当のテーマはこれですよ」という種明かしとのセット販売です。そもそも小説は読むまでは本当はなんだかわからない。「とりあえず読むしか無い」ものじゃないですか。」と、ただ小説を読むわけではなく正解を求めて読んでいる。と続く。その先には「つまり、書くべきこととか言いたいことがあれば、それを言えばいいのであって、小説を書く必要は無いだろう----」と書かれていたりもする。
 そうそう、それが引っかかってたの。スッキリ。喉に刺さってた小骨が取れました感。そして、ホッと一息。

 この本には二人がそれぞれ選んだ30冊の海外文学、海外に紹介したい現代日本の小説30冊のリストが載っている。リストには読んだ事の無い本がいっぱいあったので順番に読みはじめた。
 そのほんの数日後、リストの中の本を探していて「ジャージの二人(長嶋有)」という本を手に取った、たまたま。名前だけ知っていて、まだ読んだ事の無い作家だなあ、と。そして、解説はやはり名前だけ知っていて読んだ事の無い作家の柴崎友香さんが書いていた。そこに小説の読み方が「この人物はこの世代特有の性格を象徴している、出てくる駄菓子の○○は主人公にとって○○を意味している、という分析するような言い方とか、主人公みたいに無理しないでそのままでいいんだよというメッセージがこめられている、という一言キャッチフレーズみたいなのとかが、普通の人の感想の中にも増えている気がする。いつから小説はそういう「テーマ」や「メッセージ」を解読するものと思われ始めたんだろうか。」とあった。
シンクロニシティ、と言えばいいのか。気になってはいても自分の中で落としどころがわからなかったモノに、立て続けにストンと落ちるところがやってきてびっくり。

 そんなわけで、いつも通り自分勝手に肯定して、今年も愉しい読書を続けて行くです。

------ 前記の「柴田さんと高橋さん小説の読み方、書き方、訳し方」の中に片岡義男さんの話が出てくる。昨年は何冊か彼のわりに最近書かれた本を読んで、楽しませてもらった。英語と日本語に関する本はとても興味深く読んだ。昔々、彼の小説を読んだときは「だから、何?」って感じだったんだけどね。80年代に映画とセットで売られたイメージは片岡さん本人が望んでいたこととはズレてたのかも知れない。そんな発見も読書の楽しみのひとつ。
posted by dillo at 22:28 | TrackBack(0) | read for pleasure | 読書メモ
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/34575399
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック








照る日 曇る日 フロンターレ2009 ダイジェスト オリジナルサイズ版はコチラ
にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ <<<クリックして頂けるとブログランキングに参加できるので嬉しいです!